宅地建物取引士として分かりやすい解説を心掛けています。
「そろそろ家を買おうかな」と考える人もいらっしゃると思います。
そのとき、
マンションと一戸建て、どちらにするか迷いませんか?
マイホーム購入を検討している方、まずこの記事を読んでみて下さい。
・マンションと一戸建て、トータルでどちらがお得なの?
・マンションと一戸建て、資産価値が落ちのはどっち?
など、私にも多くのご相談を頂きます。
そこで今回は、マンションと一戸建てを比較したうえで
メリット・デメリットなど3つのポイントをご紹介いたします。
マイホーム購入をお考えの方に少しでもお役に立てれば嬉しいです。
さあ、一緒に見ていきましょう!
・マイホームを購入しようと考えている人
・マンションと一戸建てのメリット、デメリットが気になる人
目次
マンションと一戸建ての比較①:購入価格と維持費を考える

まずはマンションと一戸建てをコスト面から見ていきましょう。
皆さんも感覚的にこのように感じるのではないでしょうか。
販売価格 | 維持費 | |
マンション | 低い | 高い |
一戸建て | 高い | 低い |
*同じ立地条件で、同等グレードの設備で、同じ床面積と仮定したと想定。
マンションと一戸建ての<販売価格>

販売価格は一戸建ての方がマンションより高くなりがちです。
とくに都心部ほど、その傾向は強くなります。
土地代が高いですからね。
たとえば東京都の世田谷区で5,000万円の予算でマイホームを探した場合、
・5,000万円の一戸建て
・5,000万円のマンション
であれば、マンションの方が立地条件が良くなります。
マンションと一戸建ての『維持費』を比較

マンションは住民のみんなで共有するスペースが多いため、修繕費用が高くなります。
ある程度の規模の分譲マンションであれば、
・エントランス
・エレベーター
・駐車場(機械式の駐車場)や駐輪場
・廊下や階段、屋上や外壁
・受水槽やポンプ、消防設備
これらの設備を点検し、壊れているところがあれば修理しないといけません。
修繕積立金として毎月の費用がかかります。
また高級マンションであれば、さらに
・コンシェルジュサービス
・フィットネスジム
・シアタールーム
・パーティールーム、キッズルーム
これらの設備やサービスが付くため、管理費が高くなりがちです。
もちろん一戸建てもメンテナンスやリフォームが必要ですが、マンションに比べると工事の規模がまったく違います。
エアコンも10年以上もちますし、トイレやキッチンなど水回りのリフォームも15~20年ほど使った頃に考えると思いますが、100~200万円ほどで新品に変えられます。
<マンションと一戸建ての維持費の比較>
マンション | 一戸建て | |
固定資産税+都市計画税 | 〇 | 〇 |
管理費+修繕積立金 | 〇 | × |
駐車場代 | 〇 | × |
駐輪場代 | 〇 | × |
家の中の維持+リフォーム | 〇 | 〇 |
建物全体の維持+リフォーム | × | 〇 |

マンションと一戸建ての比較②:ライフスタイルを考える

マンションと一戸建てではライフスタイルにおいても違いがあります。
次はライフスタイルの観点からマンションと一戸建てを比較していきましょう。
マンションのメリット〇:ライフスタイル編
マンションのならではメリットとしては次のものがあります。
・眺望が良い(上階なら)
・日当たりが良い(南向きなら)
・断熱性や気密性が高い(快適な温度を保ちやすい)
・セキュリティ面が優れている(オートロックや管理人)
・維持や修繕は組合が進めるので、自分で計画・実施しないで済む
・バリアフリーな生活に適している(エレベーターや階段の無い室内)
マンションのデメリット×:ライフスタイル編
一方で、マンションだからこそのデメリットち思われる部分もあります。
・騒音に十分な注意が必要
・管理組合に参加しないといけない
・ペットの飼育や楽器の使用についてのルール
・駐車場の利用や位置が抽選になることがある
・お隣や住民内の付合いがある(プライバシー面は劣る)

一戸建てのメリット〇:ライフスタイル編
一戸建てには自由度をはじめとしたメリットがありますね。
・自由度が高い(ペットや楽器など)
・駐車場や駐輪場が家の目の前
・複数のフロアを持てる(平屋でなければ)
・騒音をそれほど気にしない(隣の家と離れていれば)
・リフォームや修理を自分で決めることができる
一戸建てのデメリット×:ライフスタイル編
一方で、マンションと比べると劣ってしまう部分もあります。
・日当たりや眺望が劣る(とくに住宅が密集した場所)
・セキュリティは自分で対策が必要(カメラやセコムなど)
・断熱性や気密性はマンションより劣る(温度を保つのにコストかかる)
・将来のリフォーム費用や修理費用を自分で計画して貯ないといけない
マンションと一戸建ての比較③:この先の資産価値を考える

実は皆さんが一番気になるのが資産価値なのではないでしょうか。
いざ売ろうと思った時、5年後、10年後にも買い手が現れるのか。
ローンを払い終えた後にも価値があるのか。
つぎに、この先の資産価値を考えてみましょう。
土地の価値は下がりにくく、建物の価値は大きく下がりやすい

そもそも、不動産というものは、
不動産(住宅) = 土地 + 建物
で、成り立っていますね。
ここで重要なポイントが、
・建物は経年劣化する → 建物は時間がたつほどに傷みます
実際に傷んでたんできますし、
税法の観点からも「建物は減価償却の対象」なのです。
つまり時間がたつほど、資産価値(とくに建物の価値)が下がっていきます。
一方の土地は地価の上下はあるものの時間がたつほど劣化するということはありません。

建物の価値は最終的には0円になる

日本の税法では建物の耐用年数が定められています。
・木 造 → 耐用年数22年
・鉄骨造 → 耐用年数34年
・鉄筋コンクリート造 → 耐用年数47年
たとえば、木造住宅は22年で建物の価値=0円という評価になります。
不動産業界では築22年以上の木造住宅では、建物自体の価値はなく、
ほとんどが土地の値段として扱っています。
最後に残るものは『土地の価値?』

皆さんも、このような言葉を聞いたことありませんか?
・一戸建てならローンの返済が終われば、最後に土地が残る
→つまり、一戸建ては資産になる!
土地は経年劣化をしません。
また税法上でも、土地は減価償却をしません。
ただし、土地の価値(地価)は市況によって価格の変動はします。
でも、0円になることはまずありません。
そのため資産価値が保たれるマイホームを選ぶなら
・人気のあるエリア → 需要のある土地(=土地の価値が下がりにくい)
を、しっかりと吟味する必要があるわけですね。
それなら一戸建てに軍配が上がるのか?と言えば、そういうわけでもありません。
土地の価値が高いエリアのマンションも資産価値が下がりにくいのです。
東京の千代田区や港区が良い例ですね。
マイホームの資産価値は『立地が決める?』

不動産業界ではこのような格言があります。
不動産業界の格言① → 不動産の価値は物件ではなく、街にある
家選びのポイントとして、20年~30年後にも街自体に魅力があるかどうか検討する必要があります。
不動産業界の格言② → 資産価値は、極論すれば『利便性に尽きる』
人が集まるところ、みんなが住みたいと思うところ、住みやすいところ、
極論すれば「利便性が高い」物件は資産価値が下がりにくいと言えます。
不動産業界の格言③ → 買うのは一瞬、住むのは一生
これも有名な格言です。
今あなたが30歳であれば30年後の60歳のときに、どのようなライフスタイルでしょうか。
駅から徒歩20分の一戸建てに自転車に乗って帰宅するのでしょうか。
やはり、この先の自分のライフスタイルを想像してみても
「立地」は非常に重要な要素であると実感されると思います。
マンションと一戸建ての比較:まとめ

マンションと一戸建てのメリットとデメリットを比較してみました。
それぞれに特長がありますので、それを理解した上でマイホーム選びをして頂きたいと思います。
皆さんにとって最高のお住まいが見つかることを願っております。
最後に、マンションと一戸建ての比較、まとめ。
比較①:購入価格と維持コストをしっかりと比較しよう
比較②:この先のご自身のライフスタイルを考えよう
比較③:この先の資産価値を考えて「立地」は慎重に
皆さんのマイホーム探しのお役に立てれば幸いです^^