不動産や保険や車の営業はノルマがきついと聞くのですが、本当のところどうなのでしょうか?
このような疑問にお答えします。
【この記事を書いている人】
新卒で年収300万以下の営業会社で1年半のあいだ契約ゼロ。
転職して3年間営業を離れ、再び転職して営業に戻ると営業力が開花。
30歳で年収1,000万、のちに年収1,800万円を達成しました。
自身のキャリア形成には職場選びがもっとも大切だと実感している現役営業マンです。
『営業だけはやりたくない!』という人はいらっしゃいませんか?
『営業は給料が良いのでは?』とお考えの人もいると思います。
営業は「つらい」「きつい」「大変」という側面はありますが、インセンティブや歩合給により大金を稼いでいる営業マンがいるのも事実。
今回は『営業の仕事とノルマ』について不動産営業マン歴10年以上の私が営業マンの現状を解説します。
営業の仕事に興味のある方に少しでもお役に立てれば嬉しいです。
さあ、一緒に見ていきましょう。

・営業の仕事に興味がある人
・営業をやりたくない人(就活生や転職を考えている人)
・営業マンの年収や給料が気になる人
ノルマのない営業職はあるのでしょうか

自分から望んで営業の仕事をしている人であれば良いのですが、営業を望んでいなかった人、営業に自信のない人であれば「ノルマ」や「プレッシャー」が少ない方が仕事を続けやすいと思います。
それでは、営業の職種別に見ていきましょう。
ルート営業はプレッシャーは少ないが、やりがいを見失う

ルート営業は既存のお客さんの元へ訪問し、指定された商品をお届けしたり、在庫が少なくなった商品を補充するためにお得意先をまわる営業スタイルです。
すでに契約済のお客さんがいますので、新規開拓のような心をすり減らす必要がありませんし、顔なじみのお客さんとの信頼関係を保ちながら、安定的に稼いでいくのが特徴です。
ノルマよりはお客さんと良い関係を保つことを重視するため、絶対に契約を取らないといけない、というようなプレッシャーはあまり感じない一方で、給料が低く、営業という仕事のやりがいを感じずらい一面があります。
ルート営業のメリット:ノルマやプレッシャーがきつくない
ルート営業のデメリット:給料が低く、仕事のやりがいを見失いがち
テレアポ営業は肉体労働である

テレアポ営業とは電話をかけてアポイントをとる営業スタイルです。
少なくとも1日に300~500件ほど電話をかけて、自社の商品をおススメするためにお会いできませんか、とアポイントをとるために電話を掛け続けることが仕事です。
いまだに多くの会社がテレアポ営業をしていて、代表的な業種では
・不動産(ワンルームマンションなど投資用の不動産)
・住宅のリフォーム
・車の販売会社
・生命保険(生保会社、銀行、郵便局、クレジットカード会社など)
・投資信託(銀行、郵便局、クレジットカード会社など)
・美容系商品や健康食品、サプリメントなど日用品の定期契約
・人材紹介(人材派遣や中途採用など)
・コピー機や通信機器などOA機器
などの業界では日常的にテレアポ営業(または電話営業)を実践しております。
クレジットカード会社から「0120-」のフリーダイヤルで電話が掛かってきて投資信託や生命保険を営業された経験がある方も多いと思います。
金融機関であればカードや口座を作る際に個人情報を提供しているので、営業電話が来るのも仕方がないかもしれません。
不動産業界であれば老後の資産形成セミナーなどを開催するなどして個人情報を集めていますし、グレーな会社であれば個人の氏名と電話番号などの情報を専門業者から購入している会社もあるようです。
ノルマや目標を定める会社が多く、アポイントがとれないと収入や評価に影響が出てしまいます。
なによりも、何ヶ月も成績が悪いと周囲からの冷たい視線の方がつらいと感じてしまうと思います。
一方でインセンティブや社内の褒賞などで、時給や固定給とは別に毎月3万~10万円程度を稼ぐ方もいます。
テレアポ営業のメリット:インセンティブで毎月3万~10万円を稼ぐことも可能
テレアポ営業のデメリット:肉体労働でもあり、メンタルが弱るケースもあり
飛込み営業はノルマもプレッシャーもきつい

数ある営業の職種のなかでもノルマやプレッシャーがきつい仕事と言えます。
おまけに商品やサービスを探していない方に向けてアポイントなしで営業をすることが多いため、お客さんに嫌な顔をされたり、迷惑そうにされてしまうため、心がすり減ってしまう方も多いようです。
一方で、金額の大きな商品や歩合率の良い会社が多いため、1件の成約でも高収入を得られる可能性のある業種と言えます。
不動産の売買(とくに投資用の不動産)や生命保険、高級車販売のディーラーなどは、
『売れれば天国、売れなければ地獄』
の代表的な営業と言えるでしょう。
また先のテレアポ営業と同様に、以下の業種では飛込み営業がまだ盛んです。
・不動産(ワンルームマンションなど投資用の不動産)
・住宅のリフォーム
・生命保険(おもに生保会社)
・美容系商品や健康食品、サプリメントなど日用品の定期契約
・人材紹介(人材派遣や中途採用など)
・コピー機や通信機器などOA機器
最近ではインターネットでの集客の割合が増えており、飛込み営業を主な集客スタイルとしている会社は減っているようですが、営業研修を兼ねて新人とベテランの営業マンがペアとなって飛込み営業をしている会社も良く見かけます。
飛込み営業のメリット:メンタルと営業力が鍛えられ、高収入を狙える
飛込み営業のデメリット:肉体的にもメンタル面でもきつい仕事
反響営業やカウンター営業にもノルマがあることが多い

自らお客さんを追いかけるタイプのテレアポ営業や飛込み営業に対して、反響営業やカウンター営業の仕事は、ふらっと来店したり予約のあったお客さんを接客しながら営業するスタイルです。
代表的なものが、携帯ショップや生命保険の見直しをする保険相談窓口(保険ショップ)、アパートやマンションなどの賃貸仲介の不動産会社などです。
商業施設や駅前などの人通りの多い場所に店舗を構えたり、チラシやWEB集客などでお客さんの反響を集めて来店してもらえるように工夫しています。
「待つ」タイプの営業スタイルなので新規獲得に悩むことは少なく、ガツガツしている営業マンは少ないため社内の雰囲気は穏やかです。
その一方で扱う商品の金額や単価が低いため、給料やインセンティブは少ない傾向がありますし、多くの会社にノルマや売上目標があります。
好立地な場所に店舗を構えていますので会社としても家賃負担が大きいため、インセンティブや歩合率が低くなることは仕方がないと言えます。
反響営業のメリット:新規獲得に悩むことなく、社内はわりと穏やかな雰囲気
反響営業のデメリット:給料やインセンティブは少なめ
大企業を辞めて営業力をつけたら年収が3倍になった

ここで少し脱線しますが、私のキャリアのお話しをさせてください。
私は大学卒業後に東証1部上場の不動産デベロッパーに入社して営業部に配属されました。そこで同期と切磋琢磨しながらマンション用地を探すために地主や銀行、不動産会社に土地情報をもらうための営業活動をしていました。
そこで営業部に配属された同期の中で私だけが用地を仕入れられず、『自分は営業に向いていないのではないか』と、自分自身を追いつめてしまっていました。

社会人の2年目に転機が訪れて、転職を決意

私は社会人の2年目に転機が訪れて、転職を決意します。
そこで『営業を一度、離れよう』と考え、資産家向けの不動産管理会社に転職をしました。その会社で3年ほど様々な業務を経験することができ、『また営業に戻りたい』と思うようになり、完全歩合制の営業会社で働くことになりました。
そこでは私はただひたすらに営業力を磨くことだけを意識して過ごしました。
最初は人脈も実績もないため、飛込み営業やテレアポ営業を繰り返していました。
アポイントすら取れない毎日でしたが、その地道な営業活動の中でも、
どうしたら話を聞いてくれる可能性が高まるのか
どのように話したらお客さんは会ってみようと思うのか
を真剣に考えて、自分なりのトークの型がだんだんと出来あがり、アポイント→商談→契約と、少しづつ営業マンとしての経験を積み上げることが出来るようになりました。
30歳のときに年収1000万円を稼ぐことができた

26歳の当時の私は、なんとなく『30歳までに年収1,000万円を稼げたら良いなぁ』くらいに思っていました。
それから少しづつですが人脈と経験ができてきて、ついに30歳の時に年収1,000万円を達成することができました。
そこで自分なりに営業マンとして『ようやく一人前になれた』と思い、当時付き合っていた彼女、つまり今の妻に結婚して下さいとプロポーズをすることができました。
その後はスランプがあったり、大口のお客さんを逃したりと、悪戦苦闘する毎日ではありましたが、ただ真剣に
「どうしたらお客さんは喜んでくれるのか」
「どのような資料を作ったらお客さんは判断がしやすいのか」
「どんなシナリオを話すとお客さんは契約したいと思ってくれるのか」
を考え続けて行動に移していくと、年収が1,800万円に到達することができました。
営業マンが年収をあげる秘訣

たまに若手の営業マンに年収を上げる秘訣を聞かれることがあるのですが、いつも次の2つを答えています。
①自分のノルマ達成ではなく、お客さんの悩みの解決を純粋に考え抜く
②歩合制のある会社に所属する
1.ノルマ達成よりも顧客のお悩み解決を優先する

1つ目は当然の答えですが、実は営業マンが一番おろそかにしてしまう事だと痛感しています。ノルマに追われている営業マンはどうしても自分の成績を最優先に考えがちです。
「お客さんにとって何が最善なのか」を考えるよりも「どうやったらお客さんは契約書に押印してくれるのか」を考えてしまいます。
私も営業マンとして目の前の契約でいくらもらえるのかを必ず意識します。ですが、頂く報酬はお客さんが納得して契約をした後にもらえるものです。
古くから近江商人の有名な言葉に『三方よし』という言葉があります。
『売り手よし、買い手よし、世間よし』
という、全てのビジネスマンが意識したい言葉です。
2.歩合制の会社に所属する

2つ目の答えは報酬のもらい方です。
会社員の営業マンであれば多くの方が固定給+ボーナスによって自分の年収が決まると思います。会社によっては固定給+歩合給のところもあると思いますが、大きな会社ほど歩合率は低くなりがちです。
一方で歩合率が高いところであれば会社員でも粗利の20%を個人の報酬として支払ってくれる営業会社もあります。
営業マンとして
「もっと稼いでいきたい!」
「いずれ独立したい!」
と考えているなら、『歩合率の高い会社』に所属することをおすすめします。
とくに大企業に勤めた経験がある営業マンや自分の力を試したい方には歩合率の高い会社はおすすめの環境です。
・不動産営業
・住宅リフォーム
・生命保険営業
・自動車の販売
・人材派遣
・美容師、理容師
・タクシードライバー
・エステやネイルサロンのスタッフ
・フリーランスのデザイナー、ライター
などは歩合制を取り入れている会社の多い職種です。
実際に歩合制の会社で働いてみた実体験

私は大企業、ベンチャー企業、歩合制の会社で働いた経験があります。
歩合制の会社の給料は、固定給+歩合給となりますが、それぞれの割合は会社あによってだいぶ差があります。
まずは固定給が多く、歩合率が低めの会社を考える

はじめは固定給の割合が高く、歩合率が低めの会社がおすすめです。
そこで経験をつんだあとに固定給の割合が低くても歩合率の高い会社で思う存分に力を発揮することが出来れば、さらに年収を伸ばせる可能性が高まります。
あなたの評判が良くなるとヘッドハンティングの連絡がくる

少し話はそれますが、営業で力を付けるとヘッドハンティングのお話を頂くことが増えます。
私は昨年の秋にヘッドハンターから電話があり、港区にある不動産ベンチャーの会社が営業部長として一緒に仕事をしてくれないか、とのお話を頂きました。
営業力を評価して頂いたうえでのオファーでしたので大変光栄なお話しでした。
その会社の提示した報酬条件は、
・固定給は毎月50万円 + 歩合給として稼いだ粗利の25%
という条件でした。
固定給として毎月50万円を頂けますので、年間で1件も契約が取れなかったとしても年収600万円が約束されています。また私は不動産営業マンとして、平均すると1年間に粗利3,000~5,000万円を売り上げます。
歩合給として750~1,250万円を固定給に上乗せしますので、年収としては目安1,300~1,800万円を期待できる報酬の提案でした。
東京都内の伸びている会社であれば、このような報酬を提示する会社はまだまだありそうです。
気になる方は是非一度、求人情報を確認してみはいかがでしょうか。
『今すぐ転職』でなくても情報は集めておいて損はない

『営業マンとして、もっと自分の力を伸ばしていきたい』『歩合制の営業会社でもっと稼ぎたい』という思いのある方は、ぜひ歩合制の営業会社にチャレンジをしてみてください。
今のあなたの上司が大企業という看板にぶら下がっているだけで営業力がない人であれば、歩合制の営業会社にいるトップセールスマンのセールストークや仕事への姿勢、お客さんへの対応の仕方は大いに刺激をうけると思います。
ご自身の営業力をさらに伸ばすためにも、『会社のブランド』で選ぶのではなく、『誰と一緒に働くか』という観点でその会社を見ると良いと思います。
また一方で『販売会社からデベロッパーに行きたい』『外資系の会社でチャレンジしたい』という方は、まず今の会社でわかりやすい実績をあげることに注力しましょう。
転職市場での『自分の市場価値をあげること』を強く意識して、実績を残すことが大切です。
私の知人でも、『街の不動産屋さん→大手管理会社→超大手の電鉄系デベロッパー』というように、見事にキャリアアップ、年収アップした方がいます。
『今すぐに転職するわけでもないし登録の手続きも面倒だから』と考えてしまい情報収集を後回しにしてしまうことは無理もないと思います。
ですが、『いざ転職をしたい』と思った時には希望したポストが既に埋まっていて手遅れになるケースも残念ながらあります。
転職活動をはじめると、
・採用の担当者にウケる履歴書、職務経歴書の書き方(あなたの特長と実績)
・採用面接での応対のしかた(1次、役員、最終面接)
・転職したい企業の情報の集め方(主力の商品、競合する会社、その市場)
これらを準備しないといけませんが、いきなり用意をするのはけっこう大変です。
また、希望条件に合う求人情報が出た時にあなたのライバルとなるような他の人も応募してくるかもしれません。
あなたが優秀な方であれば、きっとそのポストを狙っている方も同じく優秀な方でしょう。
やはり事前の準備がとても大切です。
転職サイトへの登録は無料なので気になる方は情報を集めてみると良いでしょう。


